Real Fantasy Real Fantasy
幻想と現実が交差するファンタジー総合サイト Real Fantasy リアルファンタジー

Real Fantasy
Real Fantasy
幻想と現実が交差するファンタジー総合サイト
Real Fantasy リアルファンタジー

Real Fantasy物語 ~勇者ジェミニの伝説~

 2025-06-25

 

 

遥か昔、この世界とは少し違う、魔法が〝存在していた〟世界。

 

同じ名前を持つ剣士と魔道士がいました。

 

ひとりは臆病者の光の剣士ジェミニ。

そしてもうひとりは勇敢な闇の魔道士ジェミニ。

 

光の剣士は優しく、何ものにも勝る正義感がありました。

しかしとても臆病で、凶悪な怪物や襲い来る危機に怯え、いつも勇気を振り絞れずにいました。

 

一方、闇の魔道士は正義に興味はありませんでした。ただ利益だけを追い求め、手段を選ばず、時に残酷な方法もとるほど冷酷でしたが、とても勇敢でした。

 

姿かたちは似ている2人でしたが、性格や考え方、好みなどは正反対でした。

そして容姿と名前以外に、共通している部分がもう1つありました。

2人の魂は不完全だったのです。

 

それゆえに精神が不安定であり、この世とあの世の狭間にいるものを目にしたり、不思議な体験をしたりすることも多々ありました。

 

ある日、2人のジェミニは魔王を退治するために旅に出ました。

 

光のジェミニは正義のため。

闇のジェミニは利益のため。

 

ジェミニは旅の途中、魔王を退治するための力を授けてくれるという伝説が残る、精霊の祠を訪れました。

 

祠の中へと歩みを進めると、その奥深くには祭壇がありました。

そしてそこで出会ったのは精霊ではなく、なんともうひとりのジェミニでした。

 

2人は同じタイミングで精霊の祠を訪れていたのです。

自分とそっくりな人物が目の前にいることに二人はとても驚きました。

 

光の剣士ジェミニは自分と似た相手との出会いを楽しみ、笑顔で喜びましたが、闇の魔道士ジェミニは自分と似た相手との出会いを何かの罠だと疑い顔をしかめました。

 

「やあ、魔道士さん。僕はジェミニ。世界の人々を苦しめる魔王を退治するために旅をしているんだ。ここは暗くて不気味だよね。とても不安だったから君がいてくれて安心したよ。」

 

「なんだって?俺の名前もジェミニ。俺は王様からがっぽり褒美をもらうために魔王を退治する旅をしている。お前、魔王の手先じゃないだろうな?近寄るな!」

 

ふたりがいくつか言葉を交わすと、突然、祭壇がまぶしい光に包まれました。

そしてその光の中に、精霊が現れたのです。

 

「よく来ましたね、2人のジェミニ。」

 

「あなたがあの伝説の精霊ですか。僕は人々を苦しめる魔王を退治して、この世界を平和にしたいんです。どうか力を貸してくれませんか。」

「貴様が精霊か?俺が魔王を退治してやるから、こんなひ弱なやつは放っておいて俺に力をよこせ!」

 

 

「今から大切なことを話しますからよく聴きなさい、二人とも。

貴方たちは、元々はとても強い魂と大きな力を持った1人の人間でした。

そんなあなたの存在を恐れた魔王は、手先の魔女を使い、貴方が生まれて間もないころにその魂を2つに分裂させ2人の人間に分けてしまったのです。

しかし、この世界を作ったとされる創世の神の力を持つという聖なるクリスタルを手に入れられれば、貴方たちは再び1人の人間に戻ることができます。そして、魔王を倒せるほどの大きな力をも手に入れることができるでしょう。」

 

衝撃的な事実を知った2人のジェミニは驚き、うろたえましたが、聖なるクリスタルを手に入れるために共に旅を続けることにしました。

 

光のジェミニは正義のため。

闇のジェミニは利益のため。

 

聖なるクリスタルを手に入れるための旅はとても険しいものでした。

ドラゴンが住む雪山を登り、断崖絶壁の岩山を越え、魔女の森を抜け、命の危険にさらされながらも、2人のジェミニは互いの強みを活かし前へと進んでいきました。

 

そして途方もない苦労の末、2人はついにクリスタルを手にしたのです。

 

クリスタルを手に入れ、精霊の祠に戻った2人へ、ついに1人の人間に戻る瞬間が訪れました。

しかし、2人のジェミニの顔は曇っていました。

 

「本当に、これでいいのか…」

 

旅を続ける中で、ふたりはいつしかとても信頼のおける戦友になっていたのです。

 

そして2人のジェミニにはそれぞれ人格があり、思い出があり、感情があり、物語がありました。

ふたりは互いを尊重し、認め合っていたのです。

 

1人の人間に戻り、大きな力を手にすればきっと魔王を討ち果たせるでしょう。

 

精霊は何も発することなく、ただ静かにふたりの決断を待っていました。

 

長い、長い沈黙が続きました…

 

 

…そしてふたりは決断しました。

 

 

クリスタルの力は使わず、協力して魔王に挑むことを。

 

大切な友のためでもありましたが、何より2人には厳しい旅の中、互いに信頼し協力することで得た強敵に打ち勝つ力と自信がありました。

 

それからいくらも立たずしてふたりは魔王の城に攻め入りました。

 

魔王と対峙したふたりのジェミニは魔王の恐ろしい出で立ちと不気味さに震えましたが、一歩も後には引きませんでした。

 

戦いは苛烈を極めました。

 

世界の気候がかわり、島の形が変わるほどの壮絶な戦いが繰り広げられました。

 

どのくらいの時間が過ぎ去ったでしょうか。

時間の感覚もなくなるほどの戦いが続いた末、2人は互いの力を合わせついに魔王を倒すことができたのです!

 

 

2人のジェミニはその疲れ傷ついた体を引きずりながら各国を見て回り、平和の訪れを噛み締め、喜びに震えました。

どの国でも2人は国をあげて讃えられました。

 

 

臆病な光の剣士ジェミニはもう臆病ではありませんでした。

魔王を倒す旅の中で数々の試練を乗り越え、闇の魔道士の勇敢さに影響を受け、立派な勇者に成長していました。

 

冷酷な闇の魔道士ジェミニは、もう自分の利益だけを求めることはありませんでした。

魔王を倒す旅の中で数々の試練を共に乗り越えた光の剣士の正義感に影響を受け、優しく、正しい心を持った勇者に成長していました。

 

最後に訪れた大国でも、ふたりのジェミニは盛大に讃えられました。

 

 

ふたりの〝勇者〟は歓声が沸き起こる民衆の前で互いの剣と杖を重ね、勝利の雄たけびをあげました。

 

そのとき、聖なるクリスタルが輝きだし、奇跡が起きました。

なんとクリスタルは不完全な2人の魂を完全なものとし、別々の人間として存在させたのです。

 

こうして世界に、2人の勇者ジェミニが誕生しました。

 

この2人の勇者とクリスタルの伝説は平和になった世界でも永く受け継がれています。

 

___________________

2人のジェミニがクリスタルを求めてともに冒険の旅に出る

Real Fantasy物語 勇者ジェミニの伝説 ~クリスタル探索冒険記~ はこちら

 

********************

Real Fantasy物語公式Xでは魔女の手記が公開されていますのでチェックしてみましょう。

今は失われた世界のかつての姿を知ることができます。

Real Fantasy物語公式Xはこちらから。

 

オススメ作品

【星月夜の魔石の首飾り】

🌟星月夜の魔石の首飾り🌟 夜空に瞬く星々の力を紡ぎ合わせて 編み上げられた 希少な“星月夜の魔石”の首飾り。 星月夜の魔石は大賢者によって 星月祭の護りの呪文が刻まれ 古くより「星霊を宿す護符」として尊ばれてきた。 本来は単体で 護符石として用いられることの多い 所持道具であるが、 新月の夜の魔力によって紡がれた 星糸を用いて首飾りとして 編み上げることで、 “星降る神”の加護を その身に宿すことができる と伝えられる。 魔石は持ち主の 内なる魔力に呼応し 淡く揺らめきながら青白い光を放つ。 その様は、 まるで星霊が静かに息づくかのようである。 この首飾りは 夜を旅する者や星を詠む術者にとって 「護りと導き」の象徴とされる 極めて貴重な装身具である。 Ⅱ. 星月夜の魔石について この魔石は 「記憶を光へと変換する石」 とも呼ばれる。 持ち主が歩んできた 経験や感情を光の反射に変え、 それを未来の道標として 映し出すと言われている。 星々の波動と強く共鳴し 迷いの中でも “己の向かうべき方向”を 見失わないよう導く力を持つ。 精神を鎮め 深い直感や洞察をもたらすとされ 古代の星詠みの民はこの石を 「心の羅針盤」として 儀式や旅の護符に用いたという。 Ⅲ. 効能(記録書より抜粋) • 直感・インスピレーションを高める • 感情の波を鎮め、心身の均衡を保つ • 真実を見抜く洞察力を授ける • 守護の光として、邪なる影を遠ざける • 変化の時期に、正しい方向へと導く 📿この装身具が、あなたの“お仕事の魔導具”としてお役に立てましたら幸いです。

アクセサリー

石野/MACRAME KANO

宮廷ファンタジー市 2026年1月12日開催!

お洋服と創作の魔法が奏でる もう一つの宮廷物語 「宮廷ファンタジー市」 開催日   :2026年 1月12日(月・祝) 開催時間  :14時~18時 主催    :リフルシャッフル 一般入場料 :2000円 参加条件  :フリルの付いた服 or 礼服 場所    :LE CHATEAU LE CHATEAU(ル・シャトー) 東京都新宿区四谷坂町12-12-B1 都営新宿線「曙橋駅」A4出口より徒歩4分 (出口を右折し直進4分右側) 宮廷ファンタジー市は ファンタジーゲームに出てくるお城をテーマにした交流メインのサロンイベントです。 特別な【トキ】と【モノ】を探して彷徨う「フリル服が大好きなレディ」と、 世界に一つしかない魔法アイテムを創る「魔法商人」が出会う運命の日。 社交デビューがまだの駆け出し紳士淑女様 かわいい服を買ったけどなかなか着る勇気が出なかった女の子 作品をお披露目したい魔法商人様。 自分が生み出した最高の作品を沢山の人に見てもらいたいクリエイター様 宮廷ファンタジー市は、そんな「毎日を頑張る」皆様へ特別体験を提供します。 この機会に是非お集まりください。 只今出展者募集中! 締め切りは 2026年1月5日 詳細は公式サイトをチェックです☆彡 ご来場、ご参加、お待ちしております(^_-)-☆

イベント

リフルシャッフル

オススメクリエイター