Real Fantasy物語 勇者ジェミニの伝説 スピンオフ企画特別編 破壊の時空ドラゴン討伐記 ~第3章 激闘!時空ドラゴン!未来を掴むバーニング・ラブ・エクスプロージョン!!~ NEW!
2026-01-24
Real Fantasy物語 勇者ジェミニの伝説 スピンオフ企画特別編 破壊の時空ドラゴン討伐記
ー世界が消える?クセ強異世界の英雄たちと、あなたの力で世界を取り戻せー
~第3章 激闘!時空ドラゴン!未来を掴むバーニング・ラブ・エクスプロージョン!!
(第2章はこちら)
不思議な雰囲気のおじさんは、薄気味悪い笑みを浮かべています。
「なに!!貴様が時空ドラゴンだと!!人間の姿になれる、そんな芸当ができるとはな。」
「ふっふっふ、三牙竜を倒したとて、安心するのはまだはやい。あいつらは我らの中でも、全員最弱!!」
「全員よえぇのかよ!!じゃあなんで作ったんだよ!!」
ミンティがすかさずツッコミを入れますが、不思議な雰囲気のおじさんはビクともしません。
「お前、突っ込みが過ぎるぞ、ふっふっふ。その方が雰囲気出るだろ。」
「もしかしてあいつも大した事ないんじゃないのか?さっさと倒しちゃおうよ。」
ミンティの言葉に全員が沈黙し、少し間を置いてミ・ハールが言葉を発しました。
「いや……なんか……気が進まないんだよ……触れると良くない気がする……。」
「よし、じゃあうちが撃ち抜いてみるね!」
そう言うと、マリーモは素早く不思議な雰囲気のおじさんに矢を放ちました。
矢は不思議なおじさんの体を貫くと、おじさんは悲鳴をあげて倒れてしまいました。
「あ……あれ?もしかして、倒しちゃった……?」
ミンティがきょとんとした顔でつぶやく言葉にかぶせるように、リンが声をあげます。
「いや……気をつけろ……!!」
倒れたおじさんの体が大きな黒い霧に包まれると、6人の勇者たち全員が冷や汗をかきました。
そして広がった黒い霧がゆっくりと中心に向かって凝縮されていき、その霧はやがてドラゴンの形になり、その目が光った瞬間そこから凄まじい負のエネルギーがあたりに発せられました。
「うわあああああああ!!!!!!」
あまりの威力に周りの木々や岩が消し飛び、土地が平らになってしまいました。
一行は負のエネルギーの勢いに吹き飛ばされてしまいましたが、慌てて結界のバリアをはった鶴亀地蔵のおかげで致命傷は免れました。
「こ……これはヤバすぎる!!とんでもねえ負のエネルギーだ!!バスさん、よくこんなのに掴まってきたな。」
「必死でしたからね!でも、あのときよりもエネルギーが強い!!」
焦るジェミニにバスが早口で言葉を返します。
「先制攻撃!!!」
そう叫んだマリーモが矢を連続して放ちましたが、ドラゴンの表面を覆う黒い負の力で矢が溶けてしまいました。
「あれっ?溶けちゃった。」
キョトンとするマリーモにバスが慌てて言葉をかけます。
「やつには普通の物理攻撃は効きません。魔法や精霊の力、そういう何かの力をまとわせないと普通の武器じゃ対抗できないんですよ!」
それを聞くと、ミ・ハールはとっさに杖から大きな火の玉を時空ドラゴンに放ちますが、表面の黒い負の力にかき消されてしまいました。
続けてミ・ハールはさっきの10倍もあろうかという火の玉を生み出すと、それを小さく凝縮させて銃のようにドラゴンに勢いよく放ちました。
その火球はドラゴンの体を貫きましたが、湧き出す黒い負の力であっという間に再生してしまいました。
「すごい再生速度だな!それに魔法の力もそうとうなエネルギーで放たないとやつの本体に届く前にかき消されてしまうぞ!」
時空ドラゴンは雄たけびをあげて上空を旋回すると、体ごと地面に投げ出して暴れまわりました。
「うわっ、なんてやんちゃしやがるんだ、この野郎!!」
「わたしより大きいのに素早く動き回れるなんてズルいですよ!!」
「やばいやばい、ここまできてこのまま別の時空に逃げられたら厄介だ!みんな!!こいつをあたしの魔法でこの世界に閉じ込めるけど、いいか?」
「すごーい、ミンティちゃんそんなことできるの?」
「そんなことしたらこの世界が破滅してしまわないか?」
慌てるミンティにマリーモとミ・ハールが声をかけますが、すぐさまジェミニが自信満々に言い放ちます。
「問題ない!倒しちまえばいいだけの話だ!いけ、ミンティ!!」
「よっしゃジェミ兄!!じゃあいくよ~!星魔法、ブラックスターライト!!」
ミンティは先端に輝く星がついた魔法のステッキを振りかざすと、空を飛び回っていた時空ドラゴンはドスンという地響きとともに地上に落ちてきました。
「よし!星魔法であいつの体をこの世界と紐づけたから、これでしばらくは他の時空に移動できないし、あいつの時空の力を制限できるよ!他の時空に飛ばしたりとかもできないはず!」
「よっしゃあ!!じゃあここから本格的な殴り合いってわけだ!!」
ジェミニはニヤリと笑いました。
時空の力を制限され怒り狂った時空ドラゴンは再び雄たけびをあげると、体から猛烈な負のエネルギーを放ってきました。
慌てて鶴亀地蔵は必死に結界を張りますが、じりじりと押されていきます。
「く……凄まじいパワーですね……」
「これじゃあ近づくことすらできませんね……。」
全員が結界の中で耐えているところに、上空からリンが時空ドラゴンの背中を一突きすると、時空ドラゴンは暴れまわりリンを払いのけようとしますが、リンはひらりと宙を舞って攻撃をかわすと再び背中に一突きしました。
「皆、こちらのエネルギーをまとわせられればちゃんとダメージは通る!ただ、傷口から負のエネルギーが流れ出るから触れないように気をつけてくれ!」
少しひるんだドラゴンの様子を全員見逃しませんでした。
「オッケー、それじゃあいっちゃうよ~!!キューティーライトニングアロー!!!!!」
「ネオ・ギャラクシーーーナムサン!!!!!」
「メタル・ヘル・クラッシャー!!!!」
マリーモ、鶴亀地蔵、ミ・ハールは各々の強力な技をドラゴンに向かって放ちます。
「皆さんさすがですね~、私も負けていられませんよー!!!奥義、絶対零度!!!」
「よっしゃー、俺らもいくぜあずきち、気合い入れろよ!俺魔法剣・太陽!!!」
バスとジェミニはドラゴンに対して近距離から大技を放っていきます。
勇者たちの攻撃により、時空ドラゴンの体は削れていきますが、次々と再生をしていきました。
「よし、あたしもやるよ、ドラゴンにはドラゴンだ!夢魔法、ドラゴン!!」
ミンティは大きな筆を取り出し、空中に可愛いドラゴンの絵を描くと、そのドラゴンは実体化し、時空ドラゴンに向かってささやかな火炎を放って戦います。
「よし、皆たたみかけるぞ!ニードルレイン!!」
上空からリンが放つ、無数の閃光が次々と時空ドラゴンの体を貫いていきます。
その後も勇者たちの猛攻が続きましたが、時空ドラゴンは何度傷をつけても元通りになっていき、時間とともに全員が次第に息を切らし動きも鈍っていきました。
「はあ、はあ、はあ、全然削れないね……これじゃキリがない。」
「もお……急に痩せちゃいそうで……リバウンドが怖い……。」
「くっ……体が……重い……。」
「これじゃギャグの1つも出ませんね……。」
「うちもちょっとバテてきたよ……。」
「はやく流星の村に帰ってココア飲みたいよ……」
時空ドラゴンの体は何度も再生してしまうことに加え、その体から流れ出る負のオーラが全員から気力を奪っていきます。
そこに追い打ちをかけるかのように、時空ドラゴンはこちらに向かって黒い火炎のブレスを放ってきました。さらに体が怪しく光ると、黒い負のオーラは矢に形をかえ、こちらに勢いよく降り注ぎました。
鶴亀地蔵は再び結界を張りますが、ドラゴンのブレスは弱々しいその結界を貫通し、全員が黒い炎に飲まれてしまい、そこへ黒い矢が次々と襲い掛かりました。
「ぐわぁぁぁ!!あちー!!いてぇー!!苦しいー!!」
ジェミニは顔をしかめてのたうち回っています。
他の勇者たちも体のあちこちが火傷と傷でボロボロになっていました。
「くっ、さすがにこれは強すぎるだろ!どうやって倒せばいいのか。ダメージを与えても再生するし、中心の特に黒い部分から負のエネルギーが湧き上がってくる。」
「これ、あれじゃないか。みんなの力を合わせて大技を発動させて倒すパターンがやっぱり王道だろ!この物語ってそういう感じだろ?」
「いやあ、半分パロディの特別編だからどうかな。そんな都合のいい大技あったらさっさと使ってるだろ。」
こちらの慌てた様子も無関係に時空ドラゴンの猛攻は続き、勇者たちはついには全員地面に倒れ、窮地に陥ってしまいました。
「く……こんなところで……竜騎士が竜に負けるなんてな……」
「消えた祖国と同様に、私もここで終わりを迎えてしまうのでしょうか……」
「えーん、あの子全然かわいくないよ~」
「ちっくしょお……殴り倒してやりたいよ……」
「大魔女様、話が違うだろ……6人の勇者たちの力で倒せるって言ってたじゃんよぉ……」
「これは神が対処してもいいレベルの怪物ですよ!もお、わたしに丸投げだなんて、呪いますよ、神様!!」
時空ドラゴンの激しい攻撃と、大量に浴びせられた負のエネルギーにより勇者たちは戦意を失いつつありました。
「ふんっ、神様なんてあてにしてる時間がもったいないぜ。一番信じられるのは自分の力と、ここで同じ場所に立っている仲間だけだ。俺たちなら必ず勝てるし、勝つまで諦めない!!」
「ジェミニさん……」
「すんなり勝っちまったら、尺が短くてストーリーもつまらないだろ?それにせっかく時空を超えてこの世界に来たドラゴンの顔も立てて多少ピンチになってやらねえとな。さあ、ここからは俺のターンだ!」
ジェミニはふらつきながらもカッコつけたポーズをとると、叫び始めました。
「いくぜ……目覚めろ俺の細胞!!!!うおおおおお!!!ジェミニックオーラ全開!!!」
ジェミニの体が眩しい光に包まれました。
「さあ、覚悟しろよ。俺警報発令だぜ!!」
ジェミニはにやりと笑うと、時空ドラゴンに向かって剣を構えました。
「俺奥義、愛・羅・武・竜!!!」
「なにぃ!ユーと竜をかけやがった!!」
「解説サンキューだぜ、ミンティ!!」
時空ドラゴンに向けた剣から出る波動がドラゴンの尻尾にヒットし黒い負の影が消し飛びましたが、なかなか再生しません。
「へっへっへっ、よし、やっぱりな!!ここからずっと俺のターンだから覚えとけよ、竜ちゃんよお!」
不敵な笑みを浮かべながらジェミニは天に向かって手をかざしエネルギーを放つと、そのエネルギーはキラキラと輝きながら仲間たちにゆっくりと降り注ぎました。
「こ、これは……」
「わあ、あったかーい。」
「我々の世界のマナの力か。」
「これは、光と闇を合わせた力に似てるな。」
「とても強い浄化の力ですね、これは。」
全員の体が虹色に輝いています。
「いいか、みんな。この特に強い負のエネルギー体を消すことができるのは、愛の力だけだ。俺のラッキーラブパワーを分けてやるから、負から抜け出してくれ。みんな愛の力をまとって、あいつにかましてやろう。」
「私の世界にもこういった力はありますが、ジェミニさんのは特に力が濃いですね。」
「ああ、なんていうか、愛っていうより、能天気っていうか……BKっていうか……」
「ふっふっふ、愛の勇者ジェミニだからな!よっしゃみんな、準備はいいか!?正面突破の真っ向勝負だぜ!!」
勇者たちは全員立ち上がり、顔を見合わせるとにこやかにうなずきました。
時空ドラゴンはまたしても黒い火炎をこちらに放ってきましたが、鶴亀地蔵の虹色に輝く結界で無効化していきます。
マリーモは後方から虹色に輝く矢を放ちながらも、戦況を読んで仲間たちに指示をしていきます。鶴亀地蔵は結界を張りながら仲間を個々に補助し、ミ・ハールは後方から一点集中魔法攻撃と癒しの魔法を同時にこなします。
リンは時空ドラゴンの背後に回り込みながら上空から虹色に輝く槍で攻撃、バスとジェミニはドラゴンの正面から虹色に輝く剣撃を浴びせていきます。
ミンティは夢魔法で虹色に輝く犬、サル、キジ、おじいさん、おばあさんを次々と描いては戦わせていき、同じく虹色に輝く黒猫のサミィも時空ドラゴンを一生懸命引っ搔いて攻撃しました。
キジは時折バス・ダ・ジャーレに懐いて戦線離脱しますが、ミンティに連れ戻され戦います。
それから勇者たちの猛攻がしばらく続きました。
「みんな!あの子の体、ちょっと小さくなってきたよ!!」
マリーモが仲間たちに叫びました。
「うむ、見えてきたな。」
「お、もうちょっとだな!」
「あら~せっかくわたしが小柄で痩せてるように見えてたかもしれないのにぃ~」
「ここでけりをつけて、必ず私の故郷を取り戻しますよ!」
「うん、うちの友達たちも取り返す!」
「よっしゃ。みんなあのドラゴンも愛に帰してやろうぜ。」
「ギャオオオオオーー!!!!」
時空ドラゴンも雄たけびをあげながら負けじと負のエネルギーをまき散らしてきますが、勇者たちの連携により次々とその攻撃を無効化していきます。
「うん、あの子の攻撃は一通り防ぎ切ったよ!今チャンス!!」
再び勇者たちの攻撃が次々と放たれます。
「見ろ、体がさらに小さく、黒い影も薄くなってきたぞ!」
一方そのころ、アレーシャの森近郊の祠では、光のジェミニと闇のジェミニ、そして孤独の魔女が真剣な顔で話し込んでいました。
「あの異次元の怪物は常識を超えている。私でも力が及ばないかもしれない。その異世界からきたという勇者たちがもしも負けることがあったら、私とお前たちで戦うしかない。覚悟はいいか?」
「うん、もちろんだよ!あの魔王だって倒せたんだ、僕たちならきっと勝てるよ!」
「ああ!俺たちの世界は必ず俺たちが守ろう!」
「……ん??」
「どうした!?」
急に何かを感じ取ったかのように顔をしかめた魔女に闇のジェミニが問いかけます。
「……消えた土地が……戻っている……?」
「え!?本当に!?」
時空ドラゴンと戦う勇者たちもその異変に気づいていました。
「見て!小さくなるあいつの体から小さな光が飛び出してる!」
「あれはあいつが飲み込んだ世界だよ!やったあ、これで元に戻せるよ!」
「どの世界でも、形あるものがなくなるのは自然の摂理だが、だからといって貴様の勝手で奪っていい道理などない!!」
「はい。住んでる世界は違っても、みんなそれぞれに大切な故郷があって、大切な人がいて、思い出があって、それぞれの暮らしがあるんです。そういった大切なものを守るために、私たちはあなたを討ち取らせていただきます!!」
「わたしも早く帰っておこたでお饅頭食べたいですからね!!!!」
「ミンティあいつの注意を引き付けておいてくれ……さあ、勝とうぜ!!!」
ミンティは勇者たちとは逆の方向から慌てて夢魔法で具現化した犬、さる、キジ、おじいさん、おばあさんで時空ドラゴンを攻撃しました。
その間に勇者たちは一か所に集まると、全員で力を溜め始めました。
そしてジェミニはこう語りかけます。
「この物語を読んでいるそこのあなた!!そう、今「え?」って思ったあなただ!1つ大事なお願いがある!頼む、あなたの力も少しだけ、俺たちに分けてくれないか!?ほんの少し、この物語に念を送ってくれるだけでいいんだ。あなたのそのほんの少しのエネルギーが、時空ドラゴンを倒すための大きな力になるんだ!!この時空ドラゴンを、あなたの住む世界で暴れさせるわけにはいかない!!!どうか頼む!恥ずかしがらずに、少しだけ!!声は出さなくていいから、目を閉じて一瞬だけこの物語に向かって力を込めて念を送ってくれ!」
ジェミニは真剣な表情であなたを真っ直ぐ見つめています。
是非この物語に、勇者たちに向かってあなたの念を送ってみましょう!!
・・・・・・・・・
「……よっしゃあああああ、集まってきたああああ!!!!!!ありがとう、みんな!!!!あなたも間違いなく勇者だ!!!心から感謝するぜ!!!!絶対に勝とうな!!!」
ジェミニは声を張り上げ、ニヤリと笑いました。
「よおし……次が最後の一撃だ……くらえー、これが時空を超えた勇者たちの、愛の力の結晶だ!!!!」
「バーニング・ラブ・エクスプロージョン!!!!!!!!」
6人の勇者と読者のあなたが力を合わせて放ったまばゆい虹色の光が時空ドラゴンを包むと、その光の中で黒い負のエネルギーは徐々に溶けていき、ついには跡形もなく消え去ってしまいました。
「よっしゃー!!!!勝ったー!!!!!」
「はあ~、やったな……」
「わーい、やっぱうちら最強!!」
「いやあ、さすがにひやっとしましたね。私のギャグの寒さと同じですね、わっはっはっは!!」
「どうにか祖国の名を傷つけずにすんだな。」
「うふふ、わたしも3キロはスリムになりましたね。」
「やったやった!!!大魔女様の言うことに間違いなかった!!……でも、なんだよバーニング・ラブ・エクスプロージョンって……中二病すぎて聞いてるこっちまで恥ずかしくなるわ。」
「なんだよミンティ、咄嗟に叫んだにしてはかなりカッコイイ名前だろ?」
荒れ果てた大地に全員の笑い声が響きました。
「でも、これで終わりじゃないよ!まだもうひと仕事あるんだ。時空ドラゴンに飲まれていた世界が今、光になって目の前に現れたわけだけど、これを元の世界の元の場所に戻さなきゃいけない。あと違う時空に飛ばされた存在も。」
「すごーい、ミンティちゃん!!そんなことできるんだ!?」
「おうとも!じゃじゃーん、これだよ!!ルージュの宝玉!!これには大魔女様の時空魔法の力が込められていて、ここに6人の勇者たちの力を注げばその力が発動して世界がもとに戻るって話だよ。」
「そうなのか、じゃあ早速やってみよう!今のままだと世界は混乱したままだもんな。我の住む未来のクリスタリアもはやく元に戻したいのだ。」
そう言うとミ・ハールはルージュの宝玉の前に立ちました。
「よし、じゃあみんなルージュの宝玉に手をかざしてさっきみたいな……その……ラブ……エ、エクス……なんちゃらを放ってくれ。」
「ラブ・エクスプロージョンだ!!」
6人の勇者たちがルージュの宝玉に力を込めると、世界に散らばった光が天へと舞い上がり、流れ星のように空を美しく流れ、消えていきました。
そして、その場にいる全員の体も輝き始めました。
「え……ま、待って!!!もしかしてあたしらももう元の世界に戻っちまうのか??」
「そうなのか、この世界ゆっくり見て回って、未来のクリスタリアの司祭たちに自慢してやりたかったんだが……」
「おいおい、待て待て待て、まだこの世界の平和も実感してないし、俺への歓声も聞いてないんだぞ!!」
「ええ、はやい~もうみんなとお別れってこと!?うちまだ全員で記念撮影もしてないのに~。」
「うそーん、わたしもまだみんなの恋バナ聞いてないのに~。」
「ふっ、出会いも突然だったからな、別れも突然でも不思議じゃない。」
「そうですね、皆さんとお会いできて、ご一緒できて光栄でした。祖国が戻るだけじゃなくて、異世界のお仲間ができるだなんて、本当に幸せでした。皆さんとはこれでお別れですが、それぞれの世界で素敵な人生にしましょうね。」
優しい光に包まれた6人の勇者たちの体はゆっくりと空へと昇っていきます。
そして地上で同じく優しい光に包まれたミンティは勇者たちを見上げながら大きな声で叫びました。
「じゃあみんなー、それぞれの世界で元気でなー!あたしも、みんなと一緒に旅ができて楽しかったよー!!」
「にゃ~ん!」
異世界から来た勇者たちの後を追うようにミンティもゆっくり空へ昇ると、全員が光となり天に舞い上がり、流れ星となって消えていきました。
そして再びアレーシャの森の近郊の祠。
「……元に戻ったみたいだね……世界も、そして異世界からの人たちも。」
「じゃあ……」
「ああ、その時空ドラゴンというのを倒すことができたみたいだな。そしてどうやらその異世界の勇者たちも元の世界に戻ったようだ。」
「え……まだお礼も言ってないのに。」
「戦いの話を聞いてみたかったな。」
「まあ、これは実際世界のバグみたいなものだからな。本来はあってはならないものだ。役目を終えたのであれば速やかに自身の世界に戻るほうが望ましいさ。しかし、とてつもない力を持った者たちだったな。」
「ああ、俺たちじゃ役に立たないほどの力だったと思う。全員が規格外だった。」
「僕たちもまだまだだね。もっと修行しよう。」
いつもの姿を取り戻した世界にいつもの日常が戻ってきました。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「リン団長!今日の訓練はちょっときつすぎませんか……」
「何を言っているのだ!世界には我らとは比べ物にならないほどの強者がいるぞ!我らももっと強くなれるはずだ!さあ、お前たち!訓練だ!あの1キロ先の的を射抜け!!できるまでメシはお預けだ!!」
「ひ、ひぃ~!!!」
「ミ、ミ・ハール様!!!わかりました!わかりましたから、その杖をお納めください!!ってか、その杖でかくなって凶器に磨きがかかってませんか!!」
「うるさい!!我の杖もバス殿の大剣に比べればまだまだだ!次の祭祀は愛情たっぷり、ラブ・エクスプロージョンでいくぞ!!」
「は……はい……!??」
「わあ、すごいですね、マリーモさん!!!この写真の中の生き物は見たことがありませんが……これは……人ですか?」
「えへへ、可愛いでしょう?鶴亀地蔵ちゃんっていうんだよ。お地蔵様なの。」
「お…お地蔵様……?」
「よくやったね、ミンティ!世界はどこも元通りになったみたいだね。上出来だよ。」
「えへへ、ありがとうございます、大魔女様~。どうなるかと思いましたけど、あたしもサミィも大活躍でしたよ!なのでしばらくお休みを……」
「よし、それじゃあ次のおつかいだよ!次は……」
「はい、並んで並んで~お供えとお賽銭はそこに入れといてちょうだいね~。はい、鶴ちゃんのバーニングラブお守りだよ~ご加護特盛だよ~。神様よりも効果あるよ~。」
「鶴亀地蔵様、なんだかいつにも増して強気じゃないか?」
「ああ、なんでも、異世界に行って時空を壊すドラゴンを愛の力で倒したそうだぞ。神様でも成しえなかった偉業らしい。」
「さすが鶴亀地蔵様だ!でもさすがにお賽銭が3万円からっていうのは、高すぎないか……それってお賽銭っていうのかな……」
「英雄バス・ダ・ジャーレよ、今日もそなたのおかげで平和だな。ちょっと寒いけど。」
「国王陛下、もったいないお言葉です。私はまだまだです。この国の危機をいつでも守れるようにもっと腕を磨かないといけません。」
「そなたはすでに十分強いが、向上心があるのは素晴らしいことだ。しかし、ギャグの腕を磨くのはほどほどにしておいてもらえないだろうか……。」
「何をおっしゃいますか、陛下!ギャグが寒くてもハートはホットでいかないと!でもホットホット(ほどほど)にしておきますね!!わっはっはっはー!!!」
「ふぅ~、今日も世界が俺に反射して眩しいぜ……。光のジェミニ、闇のジェミニ、懐かしかったな……そういえば俺もあんな感じだったな。でもやっぱ今の俺が最高だけどな!
一緒に戦ったみんなも元気にやってるかなあ……みんな、今後の健闘を祈るぜ!俺も負けないようにもっと輝けるよう自分を磨いていくよ!仲間たちに俺のご加護がありますように。……さてと、今日も冒険に出発だぜ!!
……こうして、それぞれの……
「……あ、この物語のナレーションは俺の話で締めてくれよな?」
……汗
こ、こうして、それぞれの住む世界に戻った一行はいつもの日常を過ごしています。
みんな1人1人が、違う世界でそれぞれの人生を生きています。
辛いことや苦しいことに直面することもありますし、決して互いがそれを直接助けられるわけではありませんが、ほんのひと時でも、共に戦った仲間たちの勇姿や共に苦難を乗り越えた経験は、これから訪れる困難をもきっと討ち払ってくれることでしょう。
もちろん、この物語を読んで一緒に戦ってくれたあなたにも。
どうかあなたに6人の勇者たちのご加護が……
「ちょっと待て、ナレーター!!!ここは俺の出番だぜ!!」
「あなたに俺のご加護がありますように!!😏✨」
Real Fantasy物語 勇者ジェミニの伝説 スピンオフ企画特別編 破壊の時空ドラゴン討伐記 完